個人輸入の関税

複雑難解な関税について説明します。最新の正確な情報は、税関サイトでご確認ください。

信頼できる個人輸入代行サービスを利用すれば、「関税とは、輸入にかかる税金のこと」と理解しておけば大丈夫です。

 

関税(かんぜい)

英語:tariff, customs duty, customs

関税とは、

簡単に説明すると、輸入にかかる税金のこと。

 

詳しく説明すると、

正式には、貨物(商品)が国境を通過する(輸入・輸出する)際に課せられる税のこと。関税には、輸入税と輸出税があるが、日本は輸入税しかない。

 

関税の目的は、

国の税収入を目的とする財政関税、国内産業の保護を目的とする保護関税などがある。

 

関税の納税者は、

特別な規定がある場合を除いて、個人か法人、仕事か生活での使用に関係なく、輸入者(海外から貨物を購入する人)である。通常は、貨物の荷受人(荷物の受取人)になる。

 

関税の納付は、

実際に自分で関税を計算したり、直接税関に関税を納付することはほぼない。通常は、郵便局や宅配業者、通関業者を通じて納付する。

 

関税の計算方法は、

関税 = 課税価格 × 税率

一般的な輸入品は、後述する課税価格に税率をかけて計算される。通常、課税価格は、後述するCIF価格と同じ。条件によっては違う計算式を用いることもある。

参考:税関|関税・消費税等の税額計算方法(カスタムアンサー) >

 

関税の課税価格は、

課税価格 = 貨物の代金 + 輸入港までの運賃と保険料 + 加算要素(*)

原則は、貨物の代金に次の加算要素の費用を足して計算される。しかし、通常の輸入における加算要素はほとんど(1)のみのため、次に説明するCIF価格(シフ価格)と同じになる。

*加算用途は、次の金額。(1) 輸入港までの運賃、保険料など、(2) 買付手数料を除く仲介手数料などの手数料 、(3) 輸入貨物の容器・包装費用、(4) 買い手が無償または値引きした材料、工具などの物品及び技術・設計等の費用、(5) 特許権、意匠権、商標権などの使用に伴うロイヤリティライセンス料、(6) 買い手による輸入貨物の処分または使用による収益で売り手に帰属するもの。

参考:税関|原則的な課税価格の決定方法(カスタムアンサー)>

参考:税関|課税価格の計算方法

 

CIF価格とは、

CIF(シフ)規則下(*)での貿易取引の価格のことで、「Cost(価格)」と「Insurance(保険料)」と「Freight(運賃)」の三要素から構成される価格。

*国際商業会議所(ICC:International Chamber of Commerce)が制定した貿易取引条件とその解釈に関する国際規則であるインコタームズ(INCOTERMS:International Commercial Terms)の貿易条件(Trade Terms)の一つ。

 

関税税の種類は、

非常に複雑かつ難解である。大きく分けて次がある。

(1) 法律に基づいて定められている税率

基本税率(国内産業の状況等を踏まえた長期的な観点から、内外価格差や真に必要な保護水準を勘案して設定されている税率のこと。

暫定税率:一定の政策上の必要性等から、基本税率を暫定的に修正するため、一定期間に限り適用される税率です。常に基本税率に優先して適用される。

特恵税率:開発途上国・地域を支援する観点から、開発途上国・地域からの輸入品に対し、原産地証明書の提出等の条件を満たすことにより適用される税率のこと。最恵国待遇の例外として、実行税率(国定税率(特恵税率及び簡易税率を除く。)と協定税率のいずれか低い税率)以下に設定されている。

入国者の輸入貨物に対する簡易税率:入国者が携帯し、あるいは別送して輸入される貨物に対し適用することのできる税率のこと。関税・消費税などを総合して水準が設定されている。

少額輸入貨物に対する簡易税率:入国者が携帯し、あるいは別送して輸入される貨物以外の貨物で、課税価格の合計額が20万円以下の輸入貨物に適用することのできる税率のこと。

(2) 条約に基づいて定められている税率

協定税率:WTO加盟国・地域に対して一定率以上の関税を課さないことを約束(譲許)している税率のこと。国定税率よりも低い場合、最恵国税率として、WTO全加盟国・地域及び二国間通商条約(経済連携協定を除く。)で最恵国待遇を約束している国からの産品に対して適用される。

*WTO非加盟国・地域で、かつ、日本と二国間通商条約(経済連携協定を除く。)を締結していない国・地域であっても、日本に対して実質的に最恵国待遇と同等の取扱いをしている国・地域の原産品については、相互主義に則り、その国・地域との外交関係も考慮しつつ、最恵国税率として、協定税率が適用される場合がある(便益関税制度)。

経済連携協定に基づく税率:経済連携協定を締結している国からの産品を対象とし、それぞれの協定に基づいて適用される税率のこと。それぞれの協定の原産地規則等の条件を満たすことにより適用される。

*平成28年6月7日現在、シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN(注)、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア及びモンゴルとの経済連携協定がそれぞれ発効している。
*平成28年4月1日現在、ASEANとの協定の発効国は、日本、シンガポール、ラオス、ベトナム、ミャンマー、ブルネイ、マレーシア、タイ、カンボジア及びフィリピンの10か国

税率適用の順位

税率は原則として、特恵税率、協定税率、暫定税率、基本税率の順に優先して適用される。ただし、特恵税率は対象となる国の原産品であるなどの条件を満たす場合に限られ、協定税率は、それが暫定税率又は基本税率よりも低い場合に適用される。

参考:税関|関税率の種類(カスタムアンサー)

 

輸入統計品目表(実行関税率表)とは、

品名ごとに税率を一覧にした表のこと。基本的に、この税率表を使って適用する一般税率を調べ、課税価格に乗じることで関税が計算できる。ただし、どの分類に当てはまるのか判断が難しい。

(1) 関税協力理事会品目表

関税の制度が各国まちまちで、かつ複雑であっては国際貿易の障害となりがちで、これを簡素化して各国統一しようと、ブリュッセルに本部を置く関税協力理事会(CCC=現在はWCO)が発足し、関税協力理事会品目表(CCCN)が作成され、「関税率表における物品の分類のための品目表に関する条約」(品目表条約)として発効した。

(2) 国際統一商品分類(HS)

CCCNを採用していなかったアメリカ、カナダも含めて商品分類の真の国際的統一を図るために、CCCNに替わる新しい品目表としてHSが開発され、「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」として採択された。HSは、国際貿易の対象となるすべての商品を網羅するように構成されており、分類の最小単位は号と呼ばれる6桁の数字で示される項目で、5,052号からなる。これらが21部、97類、1,220項にまとめられている。

(3) 日本国の関税率表

日本は、昭和62年までCCCNを関税率表に採用していたが、現在はHSに合致させるよう改正した。 日本の関税率表の6桁分類は、全部で5,051ある。さらに、各号には必要に応じて、わが国独自の細分が設けられている。なお、HS条約では、関税率表のほか、輸出入統計品目表もHSに適合させることとされているので、輸出入統計品目表も全面改正している。

参考:税関|輸入統計品目表(実行関税率表)

関税率の形態は、

(1) 無税品と有税品

関税率表は、輸入されるすべての商品を分類して税率を定めていますが、その中の一部は無税となっている。この無税品は、関税定率法の税率数では全体の約35%で、主な無税品としては、鉄鉱石、羊毛、綿花、写真用フィルム、ゴムタイヤ、機械類などがある。

(2) 税率の形態

関税は、輸入貨物の価格または数量を課税標準として課されるが、価格を課税標準とするものを「従価税」、数量を課税標準とするものを「従量税」という。

イ.従価税

日本で最も一般的な関税率の形態は従価税で、輸入品の価格に比例して関税負担がかかること。

ロ.従量税

従量税とは、輸入品の個数、容積、重量などの数量を基準として関税を課するもの。

ハ.混合税

従価税と従量税を組み合わせたものを混合税といい、これには従価・従量選択税(選択税)と従価・従量併用税(複合税)とがある。

選択税は、同一の物品について従価税と従量税の両方を定め、そのうちいずれか税額の高い方(一部の品目については低い方)を課すもの。現在、毛織物、卵黄、魚油、鉛合金の塊などについて適用されている。

複合税は、従価税と従量税を同時にかけるもので、従量税は輸入品の価格が高くなるにつれて税率が低くなる。

(3) 特殊な形態の関税

イ.差額関税

輸入品の価格が低い場合には、輸入品の価格と一定水準の価格との差額を関税として課す一方、輸入品の価格が高い場合には、無税又は低税率を適用する。

ロ.スライド関税

現在、たまねぎ、銅の塊、鉛の塊など国際市況の変動の激しい物品については、輸入品の価格が低下すれば適当な関税を課す一方、輸入品の価格が上昇すれば無税とする。

ハ.季節関税

季節関税とは、輸入される時期によって適用する税率を異にする関税である。 現在、バナナ、オレンジなどについて適用されている。

ニ.関税割当制度

関税割当制度は、一定の数量以内の輸入品に限り、無税又は低税率(一次税率)の関税を適用して、需要者に安価な輸入品の提供を確保する一方、この一定数量を超える輸入分については比較的高税率(二次税率)の関税を適用することによって、国内生産者の保護を図る制度である。

 

関税の減免戻税及び還付とは、

輸入貨物には、無税品でない限り、原則としてそれぞれの実行税率により関税が課される。しかし、輸入貨物が一定の条件に適合する場合には、関税の全部または一部が免除される(免税または減税)。

また、関税納付済の貨物が一定の条件に適合する場合には、納付した関税の全部または一部を払い戻す制度があります(戻税)。そのほか、戻税に類似したものとして関税還付制度がある。

その中の主なものについて説明する。

生活関連物資の減免税

主要食糧である米、麦などの輸入価格が国内価格よりも高いとき、価格変動の大きい豚肉の国内価格、輸入価格がともに高いとき、関税を一時的に軽減・免除する制度のこと。

製造用原料品の減免税

特定の製品(飼料等)を製造するために必要な原料(とうもろこし等)について、関税を軽減・免除する制度のこと。

無条件免税

外国旅客の携帯品(酒類3本など)、身体障害者用の物品、1万円以下の少額物品などを免税する制度のこと。

特定用途免税

学術研究用、社会福祉用の寄贈品などを免税する制度のこと。

外交官用貨物などの免税

大使館の公用品などを免税する制度のこと。

輸入時と同一状態で再輸出される場合の戻税

委託販売契約や見込み輸入などによって関税を納付して輸入された貨物が、売れ残りなど何らかの理由で国内使用されることなく、輸入許可の日から1年以内に再輸出される場合には、納付した関税の払戻しをするもの。

航空機の部分品などの免税

航空機の部分品などのうち、わが国において製作が困難と認められるものについて関税を免除する制度のこと。製品類の無税化が進み、その範囲は漸次縮小されている。

加工再輸入減税制度

近隣の発展途上国との間の貿易の拡大に資するため、加工または組立てのためわが国から輸出された原材料を用いて1年以内に輸入される織物製衣類などについて、その関税を軽減する制度のこと。

参考:税関|関税の仕組み

 

課税価格の特例とは、

次のような輸入貨物には、課税価格の決定方法の特例を適用することができる。

(1) 変質又は損傷に係る輸入貨物

輸入申告等の時までに、その輸入貨物に変質又は損傷が生じたと認められる場合は、その輸入貨物に変質又は損傷がなかった場合の課税価格から、その変質又は損傷により減少した額を控除して課税価格を決定する。

(2) 航空運送貨物

航空運送貨物のうち、無償の見本や災害救助貨物、入国者の携帯品、寄贈物品などの貨物(金額及び使用目的による制限があります。)は、航空運賃ではなく、通常の運送方法による運賃及び保険料により課税価格を決定する。

(3) 輸入者等の個人的な使用に供される輸入貨物

入国者の携帯品、寄贈物品等の輸入取引が小売取引の段階であると認められる貨物のうち、輸入者が個人的に使用する貨物は、「その貨物が通常の卸取引の段階で輸入された場合の価格」を課税価格とする。

参考:税関|課税価格の決定の特例(カスタムスアンサー)

 

関税分類の事前教示制度とは、

輸入関係者の方が、あらかじめ輸入を予定している貨物の関税率表上の所属区分及び関税率等について税関に照会を行い、その回答を受けることができる制度のこと。これにより、事前に税率がわかることから 原価計算の確実性を高めることが可能となり、また、輸入申告時に貨物の税番、関税率等が判明しているため、輸入通関をよりスムーズに行うことができる。事前教示は、 原則として、文書による照会をして、税関から文書により回答が得られる。

参考:税関|関税分類の事前教示制度について(カスタムスアンサー)

 

個人的な使用に供される輸入貨物の特例について詳しく、

輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物で、輸入者の個人的な使用に供されると認められるものの課税価格は、「その貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合」の価格とする。

なお、「その貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合の価格」は、その貨物の海外小売価格(輸入者がその貨物を取得する際に実際に支払った価格をいいます。)に0.6を乗じて算出する。

また、個人使用かどうかの判断は税関が行う。

 

少額輸入貨物に対する簡易税率について詳しく、

課税価格の合計額が20万円以下の一般輸入貨物及び国際郵便物については、一般の関税率とは別に定められた簡易税率の適用を受ける。

一般の関税率を適用する場合、数千もの品目分類の中から税率を適用することになるが、この簡易税率を適用する場合、その品目分類を大別した6区分及びアルコール飲料の区分において税率を確定する。

ただし、この簡易税率の規定は、携帯品及び別送品、関税が無税または免税になるもの、我が国の産業への影響を考慮し簡易税率を適用することが適当でないとされている物品には適用されない。

また、この簡易税率を適用することについて輸入者が、これら輸入貨物の全部について一般の関税率の適用を希望した場合には、一般の関税率を適用する。なお、この簡易税率には、内国消費税及び地方消費税は含まれない。貨物を輸入する際には、このほかに内国消費税等がかかる。

このように、簡易税率といっても複雑である。以下は表にしたもの。

少額輸入貨物に対する簡易税率表

番号 品目〔具体的な品目例〕 関税率
1 アルコール飲料
(1) ワイン
(2) しょうちゅう等の蒸留酒
(3) ワインクーラー、清酒、りんご酒等
¥70/L
¥20/L
¥30/L
2  (1) トマトケチャップその他のトマトソース及びアイスクリームその他の氷菓
(2) なめし又は仕上げた毛皮(ドロップスキン)及び毛皮製衣類、衣類附属品その他の毛皮製品
20%
3  (1) コーヒー及び茶(紅茶を除く。)
(2) ゼラチン及びにかわ
(3) なめし又は仕上げた毛皮(ドロップスキンを除く)
15%
4  (1) 動物(生きているものに限る。)
肉及び食用のくず肉
魚及び甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物
酪農品、鳥卵、天然はちみつ及び他の類に該当しない食用の動物性生産品
(2) 食用の野菜、根及び塊茎
(3) 食用の果実及びナット、かんきつ類の果皮並びにメロンの皮
(4) しょうが(一時的な保存に適する処理をしたものに限る。)
(5) 食用の海草その他の藻類
(6) 肉、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の調製品
糖類及び砂糖菓子
ココア及びその調製品
穀物、穀粉、でん粉又はミルクの調製品及びベーカリー製品
野菜、果実、ナットその他植物の部分の調製品
(7) 各種の調製食料品
(8) くえん酸等
(9) 竹製のくし
(10) わら、エスパルトその他の組物材料の製品並びにかご細工物及び枝条細工物
(11) 絹織物
(12) その他の植物性紡織用繊維及びその織物並びに紙糸及びその織物
(13) メリヤス編物及びクロセ編物
(14) 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く。)
10%
5  (1) 生きている樹木その他の植物及びりん茎、根その他これらに類する物品並びに切花及び装飾用の葉
(2) 鉱物性燃料及び鉱物油並びにこれらの蒸留物、歴青物質並びに鉱物性ろう
(3) 無機化学品及び貴金属、希土類金属、放射性元素又は同位元素の無機又は有機の化合物
(4) 有機化学品(くえん酸等を除く。)
(5) なめしエキス、染色エキス、タンニン及びその誘導体、染料、顔料その他の着色料、ペイント、ワニス、パテその他のマスチック並びにインキ
精油、レジノイド、調製香料及び化粧品類
せつけん、有機界面活性剤、洗剤、調製潤滑剤、人造ろう、調製ろう、磨き剤、ろうそくその他これに類する物品、モデリングペースト、歯科用ワックス及びプラスターをもととした歯科用の調製品
(6) 各種の化学工業生産品
(7) プラスチック及びその製品
(8) 毛皮及び人造毛皮並びにこれらの製品
(9) 染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層した紡織用繊維の織物類及び工業用の紡織用繊維製品
(10) 傘、つえ、シートステッキ及びむち並びにこれらの部分品
調製羽毛、羽毛製品、造花及び人髪製品
石、プラスター、セメント、石綿、雲母その他これらに類する材料の製品
(11) ガラス及びその製品(ガラス製のビーズ等を除く。)
(12) 銅及びその製品
ニッケル及びその製品
アルミニウム及びその製品
(13) 鉛及びその製品
(14) 亜鉛及びその製品
(15) 卑金属及びサーメット並びにこれらの製品
卑金属製の工具、道具、刃物、スプーン及びフォーク並びにこれらの部分品
各種の卑金属製品
(16) 家具、寝具、マットレス等
(17) がん具、遊戯用具及び運道具並びにこれらの部分品及び附属品
3%
6  (1) 動物性生産品(他の類に該当するものを除く。)
(2) 塩、硫黄、土石類、プラスター、石灰及びセメント
(3) 医療用ジェル
(4) ゴム及びその製品
(5) 紙及び板紙並びに製紙用パルプ、紙又は板紙の製品
(6) 陶磁製品
(7) 鉄鋼
(8) 鉄鋼製品
(9) すず及びその製品
無税
7   前各号に掲げる品目以外のもの 5%

ただし、次のものについては、簡易税率によらず一般の商業貨物と同様の税率が適用されます。

1.関税が無税又は免除されるもの

2.犯罪に係る貨物

3.本邦の産業に対する影響等を考慮して、簡易税率によることを適当としない貨物(下表)

主な品目例
 (1) ミルク、クリーム等
(2) 雑豆
(3) 穀物
(4) 穀粉等
(5) 落花生及びこんにゃく芋
(6) 豚肉及び牛肉の調製品
(7) ココア調製品
(8) 穀粉・穀物の調製品
(9) 調製食料品
(10) たばこ
(11) 精製塩
(12) 石油
(13) メントール
(14) 原皮・革
(15) 革製品
(16) 繭・生糸
(17) ニット製衣類
(18) 履物
(19) 身辺用模造細貨類(卑金属製以外)
(20) 革製の携帯用時計バンド
(21) 革製の腰掛けの部分品

参考:税関|総額20万円以下の貨物の簡易税率(一般輸入貨物、国際郵便物)(カスタムスアンサー)

 

課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について詳しく、

課税価格の合計額が1万円以下の物品の輸入については、その関税及び消費税が免税される。

ただし、消費税以外のその他の内国消費税(例えば、酒税、たばこ税等)が課せられる場合は、それらの税は免税の適用がない。

なお、課税価格の合計額が1万円以下の物品であっても、日本の産業に対する影響その他の事情を勘案して、特に定められた物品については、免税適用にならない。

また、「関税を免税しない物品」として特に定められた物品であっても、税関において個人的使用に供されると認められる贈与品であって、課税価格が1万円以下の場合は免税となるものもある。

「課税価格の合計額が1万円以下の物品」の判断は、次の基準により行われる。

(1)1申告に係る輸入貨物の課税価格の合計額が1万円以下のもの

ただし、1インボイスに係る貨物を分割して申告した場合には、そのインボイスに記載されたすべての貨物の課税価格を合計したものになる。

(2)郵便物については、1つの包装に梱包された輸入貨物の課税価格の合計額が1万円以下のもの
ただし、同一差出人から同一名宛人に、同一時期に分散して郵送されたもの等(例えば、郵便物の重量制限により分割して郵送されたもの)は、当該分割されたすべての郵便物の課税価格を合計したものになる。

「関税を免税しない物品」として定められている物品の主なもの

革製のカバン、ハンドバッグ、手袋等、編物製衣類(Tシャツ、セーター等)、スキー靴、革靴及び本底が革製の履物類等

参考:税関|課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について(カスタムスアンサー)

個人輸入とは

個人輸入についてはっきりとした定義はないが、一般的には「外国の製品を個人で使用することを目的として、海外の通信販売会社、小売店、メーカーなどから、個人が直接購入すること」といわれている。

個人輸入の形態としては、

・輸入者自身が購入したい品物を直接、外国の通信販売会社、小売店、メーカーなどに注文して、そこから直接購入する方法

・輸入代行業者に注文して、その代行業者を通じて輸入する方法

などがあります。

また、海外からの輸送方法については、

・国際郵便を利用する方法

・国際宅配便を利用する方法

・一般貨物として、船便又は航空便を利用する方法

などがあります。

いずれにしても、個人輸入は海外との直接取引きで、サイズ違い、破損等のトラブルは、自力で処理しなければならないという、リスクを負うことも知っておく必要がある。また、日本に輸入が禁止されている物や、輸入が規制されている物があり、十分に注意が必要である。

参考:税関|個人輸入とは

医薬品・化粧品等の個人輸入について

医薬品、医薬部外品(※)、化粧品及び医療機器等は、医薬品医療機器等法の規定により、厚生労働大臣の輸入販売業の許可を受けた者でなければ、業として輸入してはならない。
※医薬部外品には、養毛剤、浴用剤等、人体への作用が緩やかなものが指定されている。個人が自ら使用するために輸入する場合、または医師・歯科医師が自己の責任の下、自己の患者の診断や治療に使用するために輸入する場合は、事前に地方厚生局に輸入報告書等を提出し、当該輸入が販売等を目的としていないことの確認を受けた証明書(薬監証明)の交付を受け、税関への輸入申告の際に提示する必要がある。
ただし、特例的な取扱いとして、輸入する医薬品等を個人が自ら使用すること、または医師・歯科医師が自己の患者の治療等の目的に使用することが明らかであって、「規定の数量」以内であることを税関が確認できる場合は、証明書(薬監証明)の交付を受けることなく、輸入することができる。
「規定の数量」については、厚生労働省のウェブサイト等で公表されており、主な内容は以下の通り。
○医薬品及び医薬部外品
1)外用剤(毒薬、劇薬及び処方せん医薬品を除く)
・ 標準サイズで一品目につき24個以内
2)毒薬、劇薬及び処方せん薬
・ 用法用量からみて1か月分以内
3)上記以外の医薬品
・ 用法用量からみて2か月分以内
なお、自己判断で使用すると重大な健康被害を生じるおそれがある医薬品は、数量にかかわらず医師による処方が確認できない限り、一般の個人による輸入は認められません。
また、脳機能の向上等を標ぼうして海外で販売されている医薬品等に含まれる一部の成分については、医師の処方せん又は指示によらない個人の自己使用によって健康被害や乱用につながるおそれが高いことから、数量に関係なく、医師からの処方箋等が確認できない限り、一般の個人による輸入は認められません(ただし、海外からの入国者が国内滞在中の自己の治療のために携帯して輸入する場合を除きます。)。
○化粧品
 標準サイズで一品目につき24個以内
○医療機器
 1)家庭用医療機器等(例:家庭用マッサージ器、家庭用低周波治療器)に限り最小単位(1セット)。なお、医家向け医療機器は、一般の個人による輸入は認められません。
 2)使い捨てコンタクトレンズ:2ヵ月分以内
人体を洗浄するための石けんや、シャンプー、歯磨き類、染毛剤、浴用剤等も医薬部外品や化粧品に該当する。また動物用医薬品等も医薬品医療機器等法の規制の対象になる。

関税の納付は、

賦課課税方式

外国から一般の貨物や課税価格が20万円を超える郵便物(郵便物の場合は、寄贈物品などを除きます。)を輸入する場合は、貨物の品名、数量、課税標準、税額等を輸入者自ら申告する必要がある。

申告は個人でもできるが、通関業者に依頼することもできる。

輸入品に関税、内国消費税及び地方消費税などの税金がかかる場合には、輸入申告時に納付書を提出する。

税関では、審査・検査が終了すると納付書を申告者に返すので、税金を銀行の窓口又は郵便局の貯金窓口に納付する。マルチペイメントネットワークを利用し電子的に納付することもできる。

また、NACCSにより通関手続を行った場合は、リアルタイム口座振替方式(以下「ダイレクト方式」と言う。)を利用して納付することもできる。

その後、納付済であることを示す領収証書を税関に提示することにより、輸入が許可される。マルチペイメントネットワーク又はダイレクト方式を利用して納付する場合には、納付書の提出は必要ないので、輸入申告の際に税関に申し出る。なお、この場合においては、納付と同時に輸入許可される。

申告納税方式

次の場合には、税関が計算した税額を納付することになる。

1. 外国から日本へ入国したとき

税関、航空機内、船内に用意されている携帯品・別送品申告書に必要事項を記入して税関に提出し、税関が計算した税額を税関検査場内の銀行窓口又は税関職員に納付する。

2. 外国から郵便物が送られてきたとき

関税など税金の合計額が1万円以下の場合、あるいは1万円を超え30万円以下で名宛人が配達を希望する場合は、税関外郵出張所から日本郵便株式会社を経由して「国際郵便物課税通知書」及び「納付書(払込金受領証を兼ねます。以下同じ。)」とともに、品物が直接配達されますので、税金の納付を日本郵便株式会社に委託する旨を申し出て、税金相当額及び日本郵便株式会社の取扱手数料(郵便物1つで200円)を支払えば、その場で品物を受け取ることができる。

その他の場合は、「国際郵便物課税通知書」は送付されるが、品物及び納付書は配達されません。この場合、課税通知書に記載された郵便局へ行き、納付書の交付を受け、税金を銀行の窓口又は郵便局の貯金窓口で納付すれば、品物を受け取ることができます。なお、別途、日本郵便株式会社の取扱手数料を支払う必要があある。

※課税価格が20万円を超える郵便物(寄贈物品などは除きます。)の場合は申告納税方式が適用される。

また、税額に相当する担保を税関に提供することにより、関税等の納期限の延長が受けられる制度、関税等の減免税制度もある。

参考:税関|関税等の納付手続き(カスタムアンサー)

参考:税関|マルチペイメントネットワークを利用した関税等の納付手続(カスタムスアンサー)

参考:税関|関税等の納期限延長制度の概要(カスタムスアンサー)

参考:税関|関税の減免戻税制度の概要(カスタムスアンサー)

 

参考リンク:

税関ウェブサイト >

税関チャンネル (Youtube) >

U23の迷わない個人輸入・貿易用語集 >